DX支援実績:RPAで大幅に稼働短縮・1週間の作業を1分に
DX支援実績:RPAで大幅に稼働短縮・1週間の作業を1分に
本記事では、私どもが過去に某携帯ショップ様に対して、DX推進支援の一環として、お客様の経理作業をRPAで業務改善し、それまで2週間かかっていた手作業による入力作業を、1日に短縮した例を説明します。
業務改善案件概要
O社では、経理業務、営業報告、集計業務が属人化しており、業務の繁忙期等に非常に時間を取られてしまい困っていた。また、これらの作業は全てマニュアルでの入力作業なため、ヒューマンエラーによる入力ミスが多発し、そちらも大きな課題となっていました。
O社のこれらの課題を、現状把握から、独自RPAロボの実装、実稼働まで、延べ3か月で対応し、今まで一人の社員が2週間かけて行っていた業務が、RPAロボにより1日で完了する事ができ、大幅な業務改善を達成できたと同時に、RPAロボ導入による自動化の達成により、誤入力等のヒューマンエラーも無くなるという、抜本的な業務改革にも繋がりました。以下、弊社が行った業務改善の各プロセスについて解説させて頂きます。
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- 会社名:O社
- 売り上げ:年間70憶程度
- 社員数:100名程度
- 業界:携帯ショップ運営
- プロジェクト:RPA導入による業務改善
- 稼働削減工数:2週間の作業 → 1日
- 稼働工数:延べ三か月
現状把握のためのヒアリング
最初のステップとして、課題となっている業務の現状把握のためのヒアリングを実施しました。現状把握のためのヒアリングはRPAによる業務改善の事例のみで無く、DX推進支援の全行程で最重要なステップであるため、ここで見落とし等がないよう、お客様の課題の本質を正確に把握させて頂くため、なるべく定量的な内容を引き出せるようなヒアリングを実施致しました。
ヒアリングの結果、お客様の課題は、エンドユーザーあての振込作業が、月1500件程度発生しており、すべての振込作業を一件一件、手作業で振込作業を行っているため、作業中は他業務が一切できない状態でストップしてしまっている現状が把握できました。経理業務はただでさえ煩雑になりがちで、特に振込作業はミスが許されないため、手作業で行う事は精神的にも大変な作業です。お客様の課題が正しく把握できたため、以下に課題を解決するためのソリューションをご提案しました。
作業期間:一ヶ月程度
業務プロセスの変更とRPA自動化の設計
ヒアリングで引き出せた情報の中で、お客様の中での一番の課題は、現状の振込プロセスでした。愚弟的には、一件一件手作業で振込作業を行う際にハードウェアトークンを利用した認証があったことと、エンドユーザーからの申請と、社内で保持している口座情報のマッチングを目視確認されていたという事で、この一連のプロセス自身が複雑であるため、以下のようにプロセスの変更を提案しました。
具体的には、一番手間がかかっている振込作業については一括振込の代行業者を利用して頂き、担当の方の負担を削減し、マッチングを目視確認されている件については、エクセルVBAで自動化をして対応するというプロセスの変更を提案させて頂きました。
RPAロボの実装(VBA)
RPAロボの実装はプロセスを見直したことによって、非常に簡素なものになりました。前述の通り、自動化はエクセルVBAで対応する事としましたが、具体的には、申請情報をWeb上からダウンロードし、その申請情報をVBAが組み込まれたエクセルに必要情報を転記し、VBAを実行するのみという非常に工数が小さい開発で収まりました。VBA自体も情報のマッチングや必要情報の書き出しなど一般的な動作を組み込むようにしました。
このように、RPAロボを実装して自動化を行う際に、私どもは、常に大規模なRPAツールを導入する必要は無いと考えており、柔軟にエクセルVBA等の自動化マクロの作成にも対応させて頂いております。何よりもそのプロセスに適した自動化を達成する事が最重要と考えているため、逐次適切な判断をさせて頂きます。
作業期間:一ヶ月程度
作業効果の確認
前述の通りRPAロボの担当する分野を最小限に絞ったことにより、動作の安定性も高く、データ加工はVBAを用いることで人的入力ミスもなくなりました。これにより、これまで2週間かかっていた作業が1日で完了するようになり、大幅な業務改善を達成できました。
また、この事によって、入力作業などの人間の操作は数分になり、人間はチェック作業に専念することができるようになったため、作業の精度も大幅に向上することができました。
作業期間:一ヶ月程度
まとめ
DX推進支援の中でも、RPAによる業務効率化は世間の注目を集めやすいテーマで、多くの企業が注目している内容かと思います。RPAは特に経理や会計等のバックオフィスの自動化に効果があるとされ、様々なRPAツールが世の中に普及しておりますが、そういったツールをいきなり導入するよりも、そもそも今の業務は自動化ができるのか?また、今のままでは自動化が達成できないなら業務プロセスの変更をしなければいけないが、それが本来の業務に支障が無いか、細かく切り分けた上で、最適な方法でなるべく小さく自動化ロボを導入する事が正解になるかと思います。
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