DXことはじめ・デジタル化(ICT化)について
DXことはじめ・デジタル化(ICT化)について
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は、徐々に世の中に浸透してきた印象があります。現在、色々な企業がDXの推進に取り組み、今やDXはバズワードと言えるかもしれません。しかしながら、AIや、IoT等の言葉と同様、抽象的でイメージが湧かない、もしくはIT化と何が違うか理解できない等の印象があるかと思います。
DXは以下のような3つのステップから構成され、まずはデジタル化(ICT化)の推進から取り組む事になります。本記事ではどのようにデジタル化を推進すべきかについて説明をさせて頂きます。
デジタル化(ICT化)とは?
デジタル化の推進とは、ICTツールを積極的に活用していく事により、紙による資料の共有や、紙ベースの業務日報のやりとり等を、デジタルに置き換えていく事であり、1990年代に注目を浴びた、IT化推進とも共通した取り組みになります。上の図を見て頂いても明らかな通り、デジタル化が達成されていなければ後のフェーズの作業を行う事はできないため、デジタル化はDXの土台という事ができます。
このステップを進めて行くと、ペーパーレス化を達成する事による、経費削減に繋がるだけでなく、あらゆるデータが電子化されていくことで、後続ステップの業務効率化や、データ活用などの基盤作りに繋がる非常に大切なステップです。また、未だに多くの企業がデジタル化に対応できていない現実もあります。地味ながらDXの基礎となるため必ず対応が必要です。
以下にICT化対応、ペーパレス対応等を通してデジタル化を推進する具体的な方法について解説を進めます。
ICT化対応
ICTという言葉は、Information and Communication Technologyの事を指し、IT(Information Technology)と同義語的に扱われる事が多いです。それでは、ICTとITの違いは何でしょうか? こちらは、元々の英単語を見て頂ければ明らかなように、情報伝達を意味するCommunicationが入っているかどうかだけの違いで、ICTという言葉を使用した時は、よりデジタルコミュニケーションの意味合いが強くなります。
デジタルによるコミュニケーションとは、チャットツール等によるテキストのコミュニケーションや、ビデオ会議ツール等によるリモート会議等のアナログで無いコミュニケーション全般を指し、コミュニケーションはテキストデータ化されるため、コミュニケーションの履歴自体がデータとして蓄積されていきます。このように蓄積されたデータの分析を行い、マーケティング分析に繋げたり、感情分析を行うなど、テキスト化されたデータからは様々な情報を引き出す事が可能です。
こういったデジタル化されたコミュニケーションを実現するためには、その土台となるインフラ環境を整える必要があり、その部分がITに当たります。なので、ICTを実現する土台としてIT化対応がまずは必須であると言えます。IT環境が整った上でそれに付随するチャットツールやビデオ会議ツールを正しく導入し、コミュニケーションをデジタル化する事がICT化達成の第一ステップです。
弊社では、手頃に導入できるチャットツールとしてslack、ビデオ会議ツールは、ブラウザのみでビデオ会議が可能になるwherebyを推奨しております。
ペーパレス対応
ICT化が定めるデジタルコミュニケーションの範囲は、チャットやビデオ会議等、人対人の直接的なコミュニケーションだけを指しているのでは無く、日報の共有や、請求書の共有等、間接的なコミュニケーションも範囲となります。特に後者の間接的なコミュニケーションにおいては、紙ベースで作業を行い、全くデジタル化されていない事が多く、これをどのようにデジタル化対応させるかが重要です。
紙ベースのコミュニケーションでは、データをデジタル化して保管する事ができず、データの管理が非常に煩雑になるだけでなく、経費の面から考えても紙媒体で作業を行う事はスマートな方法とは言えません。DXを推進するのにあたって、紙媒体のコミュニケーションは致命傷と言えます。
こういった内容のペーパレス化を進めるのに最初に必要な事は、現在の業務フローを洗い出しなぜ紙ベースの仕事になっているのかを見直す事です。それをするだけで、本来は紙ベースで作業をする必要が無い箇所が明確になる時があり、それが割り出せたらその点を中心にデジタル化をしていきます。フォーマットの決まっている業務日報のプリントアウト等、最たる例で最もペーパレス化対応が容易な部分です。契約書関係などは対応が難しい部分もございますが、最近はクラウドサイン等の仕組みもあり、契約書の締結もオンラインで完結する事も可能です。
ペーパレス対応をする事は、ICT化を推進するだけでなく、経費の削減に繋がり、また稼働工数削減に繋がる事も多いので、対応を進めると、十分な対価を期待できる作業と言えます。
クラウドの活用
ICT化に重要な役割を果たすのがクラウドで、最近はあらゆるものがクラウドベースのサービスに置き換えられている傾向があり、その利便性もどんどん増してきており、ローカルPC環境で作業をするのと何ら遜色なく、クラウドを活動して作業を行うことが出来るようになってきました。クラウドの活用により、ファイルの編集や共用の手間も大きく軽減され、クラウドベースで仕事をするのと、ローカルPCベースで仕事をするのでは、明らかに効率性に大きな差があります。
ファイルの共有等において特におすすめなのはGoogle Driveの活用で、Googleアカウントさえ持っていれば、どなたも無料で15Gまでのフリースペースが貰え、簡単にクラウドベースのファイル共有を実現できます。また、Microsoft Office製品とも互換性のある、Google docs等のサービスを使用する事で、ワードドキュメントのオンライン上での複数同時編集や、共有等が可能になります。この場合、ファイル共有の手間が大幅に軽減され、ファイルの編集箇所も明確になり、コメントの伝達も簡単なので、使いこなせれば大きな稼働工数削減にも繋がります。
まとめ
DXの土台とも言えるデジタル化(ICT化)に関して、それがIT化とどう違って、ICT化をする事によりどういった恩恵があるのかについて簡単に解説をさせて頂きました。デジタル化を進めるという事は、ICT技術活用、ペーパレス化、クラウド活用等を積極的に進めて行き、幅広い意味でデジタルコミュニケーションの基盤を整えて行くことに繋がります。デジタル化の達成は、稼働工数削減にも繋がり、テレワークを行う土台にもなります。
現在、世界のどこからでもシームレスに働ける環境が昔より大幅に整ってきました。DXの基盤のデジタル化は、正しいリテラシーを持ち、ツールを活用する事ができれば達成はさほど難しくありません。デジタル化の恩恵は非常に大きく、パンデミック下の緊急事態宣言等でも継続して仕事が出来る基盤が整うため、積極的に対応を進められる事を推奨します。